1.屋根の劣化のサイン

屋根に使われている素材の材質にもよりますが、10年に1度が屋根塗装の目安です。耐用年数の長い塗料はフッ素系塗料で15～20年ですが、アクリル系塗料の場合は5～7年と言われています。ほかにもウレタン系塗料やシリコン系塗料があり、これらは10年程度の耐用年数です。

これらの耐用年数はあくまで目安となり、素人では何の塗料が使われているか分かりません。また、太陽の当たり具合や、雨量、気温など家が建っている土地や地域の特性により劣化の仕方は大きく変わります。そのため、定期的に業者に調査を依頼したり、自分で劣化のサインがでていないかチェックしたりする必要があります。

例えば以下のような状態が見受けられれば、屋根塗装を行ったほうがいいといわれています。

・天井から雨漏りがする

・色が褪せる、まだらに変色する

・屋根をこすると白い塗料が付く

・苔、錆び、カビが発生している

・塗料がはがれている

・屋根がひび割れている

・金属部が腐食する

雨漏りが屋根からある場合は、中の木材が腐ったり金属が錆びたりする危険があるので特に重症度が高く、塗装にプラスして防水加工をする必要があります。

色褪せや変色などの初期症状を放っておくと、さらに劣化が進みひび割れやカビなどの重度な症状が現れてきます。すると、塗装だけでは修繕できず屋根の葺き替えが必要になってしまうなど、修繕の工程が増え、費用も跳ね上がります。

屋根はなかなか自分でチェックしにくい場所なので劣化のサインを見逃しがちですが、耐用年数が近づいたらこまめに確認するようにしましょう。

2.屋根塗装に適した時期

屋根塗装は下塗り上塗り、場合によっては中塗りが必要になります。そのため塗料が乾きやすい気温と日照時間がしっかりある時期が屋根塗装に適しています。

春(3～5月)と秋(9～11月)は天候が安定していて、施工に適した温度や湿度のため屋根塗装のベストシーズンいえます。しかし、この時期は塗装業者の繁忙期にあたりますので希望の日にちを確保できないというデメリットがあります。塗装の前には診断を行い、見積もりなどを出す必要がありますので、昨日の今日では工事をしてもらえず、冬や夏に事前に診断や見積もりを出して、春や秋に工事の予約を入れておくというやり方がおすすめです。

繁忙期には日程を確保するのが難しくなりますが、基本的に1年中費用は変わりませんので、ぜひこの適した時期に行うようにしてください。

3.避けるべき時期

気温が5℃以下、湿度が85％以上の時は塗料の乾燥が不十分になるために屋根塗装に向いていません。雨が多く天気が安定しない梅雨や、霜がおりる寒い時期は乾燥に時間がかかったり、工事の日程が前後したりしやすいです。特に、雪が積もる東北などの寒い地域は、冬に塗装をお休みする業者が多いです。

また、夏は気温が高く日照時間が長いので一見屋根塗装に向いていると思われがちです。確かに塗料の乾きがよく、通常よりも早く工事が終わることもあります。しかし、突然夕立やゲリラ豪雨など天気が安定しないですし、塗料の温度が上がりすぎて気泡ができるなどデメリットも多いので、できれば避けましょう。

しかし、雨漏りなどの緊急を要する場合や施工主の希望があれば、乾燥の時間を長くしたり、塗料の調節をしたりすることで1年を通して工事をすることはできます。時間の短縮のために、雨が降っていても塗装をするなど、ずさんな工事をする業者もいますので、優良な業者選びをすることも大切です。

4.まとめ

屋根塗装は見た目をよくするだけでなく、家全体の劣化を最小限にするためには必要不可欠です。最適な時期や季節に屋根塗装が行えるように計画性を持って診断や見積もりをするようにしましょう。

また、時期の見極めと同じように業者選びも慎重に行いましょう。中にはずさんな工事をするせいで耐用年数がグッと短くなってしまう場合もあります。実績があり職人さんの腕がよい会社を選ぶことが重要です。

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